2007-07-17

UMLを学ぶ

 これまで、UMLについては一切触れてきませんでした。
そろそろ、UMLについてもお話しした方がいいかもしれませんね。

そこで、今回はUMLのお話をするにあたって、最初にお話ししておきたいことです。

コンテンツ

  1. UMLの誤解
  2. 先にオブジェクト指向を
  3. UMLを使いこなすって



UMLの誤解

よく、UMLとオブジェクト指向を混同していらっしゃる方がおられます。
そこで、まずお断りしておきたいのは、UML = オブジェクト指向ではないということです。
UMLは、オブジェクト指向で分析/設計したものを表現するための書き方でしかありません。
ですので、UMLを学んだからといってオブジェクト指向ができるようになるわけではありません。
まして、オブジェクト指向設計ができるようになったり、業務分析ができるようになったりもしません。
開発プロセスが改善されたりもしませんし、あなたのチームの開発が成功することを保証するなんてこともありえません。
たとえば、いくつか同じような事柄がある場合には、箇条書きが便利ですね。
それらに何かの順番があるのなら、番号付きの箇条書きにすると、さらにいいですね。
これらは、読み手にもその意図が伝わりやすい、優れた表現方法です。
UMLも同じです。
オブジェクト指向による分析や設計の結果を、読み手にわかりやすく意図を伝えるための表現方法なのです。

先にオブジェクト指向を

ということは、UMLを学ぶより先に、オブジェクト指向が理解できていなければならないということになりますね。
カメラというものを見たこともない人が、カメラの使い方を学んでも意味がありません。
まず第一に、カメラを見たことがなければ、「シャッターボタンを押すんです」とか言われても、理解できませんよね。
オブジェクト指向を知らなければ、その表現方法であるUMLを理解することはできません。
第二に、カメラを持ってないなら、使い方の知識なんて何の役に立つでしょう。
オブジェクト指向で分析/設計をすることができなければ、UMLで表現するべきものがないわけで、意味がありません。
ですので、もしオブジェクト指向を学ぶのがまだなら、先にそちらを学んで下さい。
本やWebサイトなどで、UMLを使用して、オブジェクト指向が説明されていることはよくあります。
ですので、オブジェクト指向を学ぶ過程で、UMLについても学ぶことができるでしょう。
逆に言えば、オブジェクト指向を学ぶ過程で、必要に応じてUMLを学べばOKだと思います。
このブログでは、これまでのところ一切UMLを使わずに、オブジェクト指向の説明をしてきました。
ですので、UMLを勉強するという横道にそれずに、集中してオブジェクト指向を学べるのではないでしょうか。
できれば、一度に学ぶことは一つにした方が、混乱が少なくて済みますから。
オブジェクト指向をこれから学ぶ方は、基礎編からじっくり読んでみて下さい。
このブログでも、UMLのお話をする際には、オブジェクト指向は理解していらっしゃることを前提とします。

UMLを使いこなすって

UMLには、9種類もの図が含まれています。
これらの図の全てを、あらゆる場合に使用しなければならないわけではありません。
必要なときに、必要に応じて、必要なものだけを使えばいいのです。
実際、ソフトウェアのアジャイル開発手法では、必要でないドキュメントは書くべきではないとされています。
ただ、必要に応じてと言ったって、それぞれの図の特徴がわかっていなければ、どれが必要か判断することもできませんね。
UMLを学ぶときには、各図によってどんなことを表現できるのかを、注意深く考えることを忘れないで下さい。
たとえば、ソフトウェアのユーザインターフェイスは、そのときのアプリケーション内部の状態を表現するものですね。
でも普通、一つのユーザインターフェイスで、全ての状態をもれなく表現したりしませんよね。
オプションダイアログに表示するようなことは、メインウィンドウに常時表示しても邪魔なだけです。
メニューアイテムも、ユーザがメニューをクリックするまでは、普通隠されています。
ヘルプやバージョン情報だってそうですね。
これらは、アプリケーションの内部の姿を、それぞれ違う角度からユーザに見せているわけですよね。
UMLの各図もそうです。
あなたが開発するアプリケーションの姿(あなたが開発者でないのなら、あなたが分析した問題の姿)を、それぞれ違う角度から表現するものなのです。
あなたが経験を積むと、だんだん「こういう角度から表現したものが欲しい(あるいは作りたい)」と思うようになるでしょう。
UMLを本当に使いこなせるようになるのは、そうなってからです。
まずあなたが何かを表現したいと思い、それに従って一番適切なUML図を選ぶ。
というような使い方ができるようになったとき、それが、UMLが使いこなせるようになったということではないでしょうか。
なんといっても、UMLはただのツールです。
主役は、あなたの知識とテクニックなんですよ。
UMLのお話は、タグUMLですすめていきますので、そちらをご覧ください。
また、タグUMLの本に、UMLについてのオススメの本をリストしています。
こちらも参考にしてみて下さい。

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